​​Studio T

Music Therapy for Wellness and Growth

なぜ音楽療法士になろうと思いましたか? そしてGIMをやろうと思ったきっかけは何ですか?


若い頃に感じていた生き辛さと、なぜ自分が音を創るのかという問いに対峙した時、「音楽をする自分」や「生きている自分」を理解するために心理学を学びたいと思いました。まずは自分の心のことをどうにかしたいという気持ちからです。そこから音楽心理学や音楽療法についての本を読み漁るうちにGIM (Guided Imagery and Music/音楽誘導心象) に出会い、生涯の恩師となるリサ・サマーに手紙を書きました。すると、GIMを学びたいのならまず音楽療法士になれと言われ、彼女の下で音楽療法士になることにしました。その後は、音楽療法士として在宅ホスピスケアで働きながら修士号をとりつつ、フランシス・ゴールドバーグのGIMトレーニングとリサ・サマーのスーパーヴィジョンを受けてFAMI (Fellow of the Association for Music and Imagery) になりました。



音楽療法士を続ける情熱、突き動かすものは何ですか?

自分の人生はいつか終わるという自覚かもしれません。それ故、今自分にできることはできる限りしておこうと思っています。私がセラピスト、スーパーヴァイザー、あるいは教育者として音楽療法に携わることで、誰かの世界に何かきっかけのようなものが芽生えたり、健やかなものが育ったりするのを目の当たりにすると心が震えます。この尊い体験も私を突き動かしているような気がします。



音楽療法士として何を大切にしていますか?(自分を責めたり不安になったり、自分のことだけで精一杯、そんな私につとまるのか不安です)

色々とありますが、まずは自分自身とつながっていることかもしれません。自分にできるだけ正直に、どんな自分も認めつつ全身全霊で生きることです。どんな感情も体験も全て糧になります。だから、自分を責めてしまったとしても、「あ、責めちゃったな、ごめんね自分」と言って自分にOKを出してあげて良いと思います。そうやって切磋琢磨しながら生きている一人の人間として、同じく一人の人間であるクライエントにどう関われるかを考えるところから療法的関係が始まるような気がします。大丈夫、そのまま進んでいってください。

 

アセスメントの際に意識していること、注意していることは何ですか?

色んな意味でのクライエントの安全(精神的、身体的、情緒的など)です。それがあって初めて、アセスメント時点でのクライエントの状況をできるだけ正しく把握し、トリートメントプラン(治療の計画)を立てることができるのではないかと思います。それと同時に、アセスメントはクライエントとの関係構築の第一歩なので、セラピストとしての「私自身」でいることや、クライエントと「出会う」瞬間に気づくことに努めています。


セッションをする時に大事にしていることは?

自分の中心に在ること、セラピストである「私」をクライエントに「貸す」ことができるように、セラピストとしてできるだけ素であること、クライエントの反応に対してできるだけ敏感であること、「今・ここ」に居ること、クライエントの療法的プロセスにおける現在地をできるだけ把握すること、深呼吸などですかね。


音楽療法をやっていて辛かったことはありますか?

辛かったことはあまりないです。でも、上司や職場のシステム全体に、音楽療法について理解してもらおうと努めたり、職業的地位を上げるのは時に大変でしたが、できる努力でした。

 
音楽療法をやっていて楽しいと思う瞬間はありますか?

楽しいと思う瞬間は、例えば、クライエントの気づきの瞬間を感じたり目撃した時や、クライエントの成長について一緒に喜んだりできた時。あとは、例えば重度の認知症を持つクライエントと音楽で繋がれた感覚を覚えた時とか。本当に多々あります。



セッションで失敗してしまった時、どうやって立ち直るか

まず、起きてしまったことや失敗だと認識した自分に感謝します。フォーカスは常にクライエントに置いて安全確認、そして、クライエントの反応に応じてベストな方向を選ぶように努めます。「これは誰のゴールか?」「主語は誰なのか?」をはっきりと。ただ、失敗だと思ったことが、ただの自分の思い込みだったり(例えば、間違えずに弾くぞ、とか、ちゃんとやらないと、とか)、実は臨床的に意味深かったということだってあるので、まずは「今・ここ」でクライエントと共に存在すること、そして、セッション後の振り返りで、何がどう起きたのか、クライエントの反応、臨床的理解、自分の内的反応などを言語化してみると、理解が深まり、次のセッションへと繋がるのではないでしょうか。また、セッション中は、あなたがあなたで在る以外のことはできないので、特に失敗を恐る必要はないと思います。大丈夫です。:)


ワークショップの時に流した曲を聴いて何を思い浮かべますか?

清々しい気持ちや、追い風に乗って進んでいくような感覚を覚えます。それと同時に、曲中の音楽的変化が人生に訪れる様々な変化のようにも感じられて、ほろ苦さや晴れやかさみたいな感情も浮かびました。

 
自分の心の状態が絵に出たと思う。でも、みんなの絵を見たらすごいな、素敵だなと思うだけで深く読み取れなかった。

ともか先生は何を読み取りましたか?

自分の心の状態が絵に出たと感じられるのは素晴らしいことだと思います。それが、自分自身との対話の始まりです。さらに深掘りして、どんな心の状態なのか(気持ち、疑問、大切だと感じることなどなど)を言葉にしていくと新たな発見があるかもしれませんね!私の場合、みんなの絵を見て話を聞きながら何かを読み取るとか読み解くというよりも、まずはそれぞれの人が体験していることをできるだけ肌で感じようとしていたように思います。そして、それが「今・ここ」に存在しているその人を私なりに理解することにつながるような気がします。また、誰かが描いた絵を見る時、それを分析するのではなく、その絵にあるもの(色、形、イメージ、シンボル、感情など)がその人にとってどんな意味を持つのかを理解するために色々と質問することはよくあります。 



人生の中で大変だったことは何かありますか?

色々ありますが、今思えば全て糧になっている気がします。例えば、少し複雑な家庭環境に身を置いていた頃は、とにかく外の世界に出ていけるように頑張ることがモチベーションになっていました。当時セラピストやカウンセラーに出会っていたら、もっと楽な子供時代になっていたのかもしれません。たくさんのことを体験して感じることが人生の醍醐味なのかもしれません。


苦手な人はいますか? どう対応しますか?

苦手な人はたまに居ますが、私生活ではあまり関わらないようにします。でも、仕事上関わらなければならないのであれば、できるだけ距離を保ってベストを尽くします(見えないバリアを張る感じです)。そして、自分にとってその相手の何がどう苦手なのかを考えてみます。そうすると、自分の中の未だに未解決なことや嫌いな部分が浮き出てきて、それらに取り組むことで、外側の世界に現れた苦手な人がそれほど苦手でもなくなる気がします。「苦手」だと感じることも一つの反応なので、自分の中に何か着目するべき所があることを示してくれているのかな、と思うようにしています。



大きな夢を叶えるために大切だと思うことは?

アクセルだけ踏んで諦めないことです。大きな夢も、コツコツと続けた努力の先にあるのだと思います。私の場合、弱気になったら夢が叶った時の心の状態を想像したりします。それから、気が遠くなりそうな大きなゴールに圧倒されるのではなく、夢に向けて手の届きそうなゴールを作って、一つひとつできることから取り組んでいくのも良いかもしれません。
 

一番勉強しておいた方が良いことは?

私も知りたいです(笑)。人生は長そうで短いので、自分が一番興味のある事を思いきり調べて、学んで、身に付けることができたら最高ですね。本から入っても良し、興味のあることについて詳しい人たちに質問をするも良し、なんでも一生懸命にやっているうちに前に進んでいくと思います。


好きな曲は?

本当に沢山あって選べないかもしれません。J-Popも、クラシックも、フォークも、ロックも、エスニック系・民族音楽も、サウンドトラックも、ありとあらゆるジャンルのものを聴きます。踊れる曲も良いですよね。一度はまるとしばらくの間その曲ばかりリピートすることがよくあります。音楽って良いですね。

グループMI (Music and Imagery/ 音楽心象)  の​​ワークショップに参加してくださった

音楽療法学生さんたちからのご質問への答えです